「情報科学科」と聞くと、何やらコンピュータに向かって日々プログラミングをしているマニアックな印象を持つかもしれません。それは昔、コンピュータというインターフェイスに触れるのは一部の人だった時代の話です。今は、コンピュータで何をするのか、という時代であり、一口で「情報科学」と言っても研究対象は非常に広範囲です。
例えば、ロボットの制作から、人工知能の研究、カオス理論、環境問題への取り組みなど、およそ現代の先端技術が関係するものは情報科学の範囲に入らないものはないと言っても過言ではありません。
ですから、同じ理系学部で、同じ「情報科学」と銘打っていても、理学部と工学部では取り組み方が若干異なります。理学部は基礎的な研究が主であり、工学部は応用的な研究を主とする、と考えればよいでしょう。ただ、ここで「基礎的」と「基本的」を混同しないことです。「基礎的」とは、最初から完全な実用化を目的としたものでなく、科学の進歩を主な目的としています。その結果として実用化に結びつく場合もありますが、あくまでそれは結果です。工学部の「応用」というのは、実用化が目的である、という意味であり、基礎よりも内容が高度である、ということではありません。